骨粗しょう症予防の運動になる、ランニング
年齢が高くなると気になる「骨粗しょう症」。骨からカルシウムが減り、骨密度が低い骨になってしまう病気です。加齢、更年期、ダイエット、そして特定の病気や服用している薬などが原因となりますが、高齢者だけの病気ではありません。
骨粗しょう症の人は、転んだりしたときに骨を折りやすく、そのまま寝たきりになってしまうこともあります。
骨粗しょう症を予防し、骨を強くするには、カルシウムの摂取量を増やし、カルシウムの骨への定着率を効率よくすることです。ランニングなどの運動には、骨にカルシウムを沈着させる効果があり、骨粗しょう症予防におすすめの運動です。
骨にカルシウムが定着する仕組みは、運動そのほかで骨の周りの筋肉を収縮させると、骨にほんのわずかなタワミが生じ、そのタワミで電気が発生し、その電気にカルシウムが引き寄せられて定着・沈着します。なので、骨にカルシウムを効率よく沈着させるには、骨にタワミを生じさせる運動=体重をかける運動をすれば良いのです。
普通に2本足で立っているだけでも、重力のお蔭で、骨には若干のタワミが生じています。ランニングの場合だと、地面に足がつく着地時には、体重の3~4倍の衝撃が脚に加わるので、とても大きなタワミを生じさせています。そのため、ランニングは骨粗しょう症予防にとても効果のある運動だといえます。
また骨代謝を盛んにするビタミンDは、食事からだけでなく、日光を浴びることでも体内で生成されます。戸外で行うことの多いランニング/マラソンは、その点でも骨密度低下を防ぐ効果があります。[国立環境研究所の調査研究によると、夏(7月)はほとんどの場所で5分以下、冬(12月)だと那覇では7.5分、札幌だと76.4分日光を浴びれば、1日に必要なビタミンDを体内で生成できます]
60才を過ぎても元気に走っている市民ランナーは多くいます。若い時から走り慣れている人はランニングを熟知していると思いますが、これからランニングを始めるという60才以上の方は、自分にあったペースで走り、夏場の気温27度以上、湿度70%以上でのランニングやマラソン大会参加は控えるなど、くれぐれも注意しましょう。
ゆっくり楽しく、いつまでも走り続けたいものですね。