ランニングと血圧(高血圧・低血圧)
血圧とは、心臓から血液を全身に送り出すときの血管の壁を押し広げる力のことを言います。心臓が収縮して血圧を送り出すときにかかる「収縮期血圧」を最高血圧、心臓の収縮が終わり心臓内に血液をためるときの「拡張期血圧」を最低血圧としています。
ランニングをすると血圧は、どうなるのでしょうか。一般的に、運動をすると、運動中の筋肉の血液量を維持しないといけないので心拍数が増え、血圧は上昇します。でも、有酸素運動を継続的に行うと、血圧は下がると言われています。
ランニングでも、ゆっくり楽しいランニング(ジョギング)をしていると、血圧が下がってくるということが近年分かってきました。ランナーの血圧は、一般成人よりも低いという研究報告もあります。
なので、高血圧の人がランニングをするなら、ゆっくりと、おしゃべりして笑うことができるくらいのスピードでスロージョギングをするといいのです。心拍数があまり上がらないスピードで、ゆっくり長時間走るのです。
最初はウォーキングから始めるのもいいでしょう。少し慣れてきたら、部分的に走って様子をみてみましょう。この方法は糖尿病や心臓病の治療法のひとつとしても、医師の指導のもとに行われています。ただ、血圧がかなり高い人(最高が170以上、最低が100以上)は、医師に相談してからランニングをしてください。
低血圧の人も、運動を必要としています。誰でも立っていると血液は下半身に溜まりますが、これを心臓に戻す力が弱い人が、低血圧の人には多くいます。この場合、下半身の筋力をつけると、低血圧改善につながります。特にふくらはぎの筋肉は、足の血液循環に大きな役割を果たしていると言われます。
低血圧の人も、まずは良い姿勢でウォーキングから始めてみて、慣れてきたらゆっくりとしたランニングに挑戦してみましょう。ただし動悸やめまい、息切れなどがあったら、医師に相談してください。
また、急に毎日ジョギングやランニングを行うよりも、身体に疲労をためないように気をつけて、週に3回程度でいいので、ずっと継続して行いましょう。